「そろばん式暗算」とは、実際のそろばんを使わず、頭の中でイメージしたそろばんをはじいて計算すること。
そろばん式暗算を行うことでイメージをつかさどる右脳が活性化し、圧倒的計算力に加えて右脳の直観・ひらめき・イメージ・記憶・先読み力・リスニング力・速読力などの力が身につきます。
お子さんに”圧倒的計算力”を身につけさせるために、そろばんを習わせることを検討している親御さんは多いと思いますが、注意しておくべきは、教室によっては、そろばんでの計算そのものを教えるだけで、暗算に力を入れていない教室もあるということ。
今回の記事では、日本国際そろばん協会の副理事で、全員暗算段位取得をモットーに掲げるそろばん教室アバカススタジオの代表、黄 俊豪氏の著書『”そろばん式暗算”が子どもの右脳を鍛える!』を参考に、そろばん式暗算をきちんと身につけさせてくれる教室の選び方をご紹介します。
“そろばん式暗算”が子どもの右脳を鍛える! シンプルだけど一番効果のある「地頭力」の伸ばし方 (大和出版)
そろばん式暗算を身につけるためのそろばん塾の選び方7つのチェックポイント
①暗算の段位を取得している生徒がどれだけいるか
まずは、その教室に「暗算検定で段位を持っている生徒がどれだけいるのか?」が1つの指標となります。
現役の生徒で暗算の段位を持っている生徒が少なくとも3名以上いるのが望ましいとのこと。
というのも、暗算段位を持っているのが1人、2人の場合は、先生の教える技量によって段位がとれたのではなく、生徒が必死に勉強してようやく段位を取ったというケースが多いから。
つまり、先生の教える技量がそれほど高くないと考えられます。
また、歴代の段位合格者の名前が掲げられている場合もありますが、あくまでも「今の時点での実績」を確認するようにしましょう。
➁そろばんよりも暗算のほうが級・段位が進んでいるか
そろばん式暗算をきちんと教えている塾では、そろばんよりも暗算の取得級・段位が進んでいる場合が多くなっています。
習っている生徒の多くが「そろばんの級より少なくとも2つは暗算もしくはフラッシュ暗算の級・段のほうが進んでいる」、というのが理想。
また授業の時間配分も1つの目安となります。
1回の授業時間のうちの何%くらいの時間を暗算に使っているか、ぜひ確認してみましょう。
③競技大会に積極的に参加しているか?
そろばんやそろばん式暗算の世界では、検定だけでなく「競技大会」といって、スポーツで言うところの試合に当たるものもたくさん開催されています。
全国大会は知名度の高いもので1年に10回近く開催され、全国から集まった子どもたちが種目ごとに戦い、そろばん日本一が決定されます。
自塾以外の生徒と競うわけですから、先生自身がさまざまな練習の工夫をし、生徒たちも「井の中の蛙」にならないよう日々頑張らなければなかなか勝てるものではありません。
開催される競技大会の数は、全国大会を除けば地域によって差が出てしまいますが、「少なくとも年間2~3の競技大会に参加する塾」というのが最低条件となります。
④先生自身が段位を持っているか?
そろばんや、そろばん式暗算を教えるのに必須の資格はありません。
教室によって採用基準は違いますが、「未経験者歓迎」や「そろばんを習ったことがある人」ならOK だったりする場合もあり、誰でもできてしまうのが怖いところ。
そこで、入室を検討する際には先生の実力を確認するようにしましょう。
少なくとも暗算で段位を持っていることが理想になります。(できれば、そろばんも)
もちろん、段位を持っていなくても、しっかりと勉強することで同等の力を持っている先生もいます。
その場合は、上で述べた「生徒の実績」を確認しましょう。
➄発信力があり、オープンな教室経営をしているか?
教室のホームページやSNSなど何でもいいですが、その教室が発信する材料を持っているか?も大事なポイント。
それらがない教室では、
・何を「教室で教えているか?
・どんな理念をもって教えているか?
・どこまで生徒が上達しているか?
が見えにくくなってしまっています。
また授業の見学が可能か?も大事なポイント。
もし見学ができるのであれば、お子さんが習う予定のクラスの雰囲気を見るのと合わせて、最上級のクラスを見ておきましょう。
先々、子どもが上達したときのイメージを持っておくこと、先輩たちにどういう生徒がいるかを知っておくことはとても大切。
⑥未就学児の受け入れはあるか?
小学校に上がる前の子どもを積極的に受け入れているか?も、そろばん塾を選ぶ際のポイント。
小学生の子どもと比べて何かと手がかかることが予想される未就学児を受け入れているそろばん塾は、「生徒を育てよう」という意識が高いと言えます。
なお、そろばん塾に通う側としても、筆算をまだ習っていない未就学児の段階で始める方が、右脳のイメージで計算することが当たり前になり、そろばん式暗算の実力も高まりやすくなります。
⑦どの連盟に加盟しているか?
そろばん業界は、日本珠算連盟(日珠連・日商)と全国珠算教育連盟(全珠連)の2大連盟と、その他いくつかの信頼できる連盟で成り立っています。
そろばん業界2大連盟
・日本珠算連盟(日珠連・日商)・・・日本商工会議所の後援
・全国珠算教育連盟(全珠連)・・・文部科学省の後援
その他、信頼できる連盟
・全国珠算学校連盟(学校連盟)
・全国珠算連盟(全国連)
・日本計算技能連盟
・日本国際そろばん協会(JISA)
もし上記の連盟に入っていない教室であれば、その理由を先生に確認してみましょう。
最近は新たに連盟を立ち上げる人が増えており、そういった連盟独自の検定で級位・段位を取ったとしても、日珠連・全珠連の同じ級位・段位のレベルに達していない、という可能性もあります。
それでは子どもの本当の実力が分からなくなってしまいますし、せっかく頑張って級位・段位を取ったのに一般的には通用しない、ということになれば意味がありません。
7つのチェックポイントに全然当てはまっていない場合は?
上で述べた、「 そろばん式暗算を身につけるためのそろばん塾の選び方7つのチェックポイント」は以下のとおり。
そろばん式暗算を身につけるためのそろばん塾の選び方7つのチェックポイント
①暗算の段位を取得している生徒がどれだけいるか
➁そろばんよりも暗算のほうが級・段位が進んでいるか
③競技大会に積極的に参加しているか?
④先生自身が段位を持っているか?
➄発信力があり、オープンな教室経営をしているか?
⑥未就学児の受け入れはあるか?
⑦どの連盟に加盟しているか?
家から通える範囲で、上記の条件をすべて満たしているそろばん塾を探すのはかなり大変ですが、多少遠くても、この条件に多く当てはまる教室があれば検討してみるべき。
とはいえ「通えそうな場所にはそろばん塾がない」という場合には、自宅にいながらオンラインで学べるそろばん教室を検討してみるのも1つの手。
以下の記事でオンラインそろばん教室のおすすめを紹介しているので、ご興味があればいちどチェックしてみてくださいね。
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