『算数と国語を同時に伸ばすパズル』を小学生クラスの宿題に取り入れている3つの理由

『算数と国語を同時に伸ばすパズル』は、別の記事(「藤井聡太四段が幼少期に使っていたドリル『賢くなるパズル』、ウチの教室でも使ってます!」)でご紹介した『賢くなるパズル』と同様、著者は宮本算数教室を主催する宮本哲也さんです。


算数と国語を同時に伸ばすパズル 入門編

この例題のように、与えられた条件を読みとって整理し、答えを導き出す「推理パズル」の問題と、

条件に合う数字を当てはめていく「数字ブロック」の問題が、1問ずつ交互におさめられています。

入門編・初級編・中級編・上級編の4つのレベルがあって、教室では1年生から3年生までで、入門編~上級編を振り分けて宿題にしています。(「推理パズル」のみ使用。「数字ブロック」のほうは使っていません。)

『算数と国語を同時に伸ばすパズル』を小学生クラスで使用している3つの理由

私がこの『算数と国語を同時に伸ばすパズル』を小学生クラスで使用している理由は3つ。
これはそのまま、”『算数と国語を同時に伸ばすパズル』の特徴”として本書に記載されている、

①文章を正確に読み取る力がつく

②与えられた条件を整理する力がつく

③何が問われているかを理解し、考えを組み立て、正解にたどり着く力がつく

この3つになります。
それぞれについて、詳しくお話していきます。

 

①文章を正確に読み取る力~「読解力」をつける

小学生のお母さまから、「うちの子は読解力がないんです」という悩みをお聞きすることは多いです。
その場合の「読解力」とは、「作者の心情を読み取る」というようなことではなくて、「文の内容を正確に理解する」というレベルのこと。
つまり、助詞や接続詞などを正しく理解できず文の意味がわからない、算数の文章題の内容がうまくイメージできなくて式が立てられない、といったようなことです。

この『算数と国語を同時に伸ばすパズル』の問題でいうと

●ゾウは、ウサギより2才年下です。

という文を読んで、ゾウとウサギのどっちが年上なのか?がわからない1年生の子もいたりします。
(「えっ??」と思われるかもしれませんが本当です。)

国語の長文読解のような課題とは別モノとして、この推理パズルのように、短い1文の内容をしっかり正しく読み取れるようになることが、読解力をつけるのにまずは最低限必要なトレーニングになると思います。

 

②与えられた条件を整理する力~「頭で考える時は、手も動かす」を習慣化する

子どもたちが問題を解くときに、途中の段階を書かずに頭の中だけで解こうとする傾向があります。
算数の文章題でも、途中の式を書かずに答えだけ書くとか。

子どもからすれば、「式なんか書かなくても答えがわかるのに、何でわざわざ書かなきゃいけないの?」ということなのでしょうが・・・。

カンタンな計算で解ける問題ならともかく、図や絵を描いてみないとわからないような問題でも頭の中だけで解こうとして間違えたり、結局わからないままだったりすることもあります。

「頭で考える時は、手も動かす」がクセづいていないと、少しむずかしい問題に出会ったときにつまずいてしまうのです。

 

この推理パズルを解く場合には、問題文から読み取れる条件を表に書き込んでいきます。

入門編のいちばん最初の問題(初級-1)は、

ライオン・ネズミ・ウサギが、かけっこをしました。

●ライオン「2位だった。」

●ネズミ「ライオンに負けた。」

●ウサギ「ネズミに勝った。」

それぞれ何位だったでしょう。

これくらいの問題のレベルであれば、わざわざ条件を書き込まなくても、「ライオンが2位で、残る1位と3位のうち、ウサギがネズミに勝ったのだから、ウサギが1位で、ネズミが3位だ」と、すべて頭の中で答えを導き出すことができるでしょう。

しかし、同じく入門編のいちばん最後の問題(上級-9)では、頭の中だけで解こうとすると少々ややこしくなります。

てつや・あおい・しゅんたの3人は、年れい(6才、7才、8才)も、ひろったクリの数(3こ、4こ、5こ)もそれぞれちがいます。

●いちばん多くひろったのは、8才の子ではありません。

●てつやは、しゅんたより1才年上。

●あおいのひろったクリの数は、1才年上のしゅんたより1こ多かった。

3人の年れいと、ひろったクリの数はそれぞれいくつでしょう?

条件を書いていけば、簡単に解くことができます。

●てつやは、しゅんたより1才年上。

という条件から、てつやは7才か8才、しゅんたは6才か7才であることがわかります。
(それぞれの欄に、可能性のある年齢を書き込みます。)

●あおいのひろったくりの数は、1才年上のしゅんたより1こ多かった。

という条件より、しゅんたはあおいより1才年上であることがわかるので、しゅんたは6才ではなく7才で、すなわちあおいは6才、てつやは8才であることがわかります。

且つ、あおいのひろったくりはしゅんたより1こ多かったことから、あおいは4こか5こ、しゅんたは3こか4こですが、

●いちばん多くひろったのは、8才の子ではありません。

という条件があるので、いちばん多い数である5こひろったのはあおいで、しゅんたは4こ、てつやは3こであることがわかります。

・・・実際、これくらいの問題であれば頭の中だけで解いてしまう子もいますが、それだとミスしやすいということと、さらに難しい問題になったときにはどのように条件を整理していったらよいかがわからなくなってしまいます。

 

なお上級編では、このように表を書いて、条件にあてはまるところに〇、あてはまらないところに×を書いて条件を整理するように解説されています。

子どもにとっては、とにかく問題を解く過程を紙に書くというのはメンドクサイ、という意識があることが多いですが、結局、面倒なようでもそちらのほうが答えにたどり着く近道なんだ、ということを実感する、というのも、この推理パズルをとおして身につけてほしいことの1つです。

 

③何が問われているかを理解し、考えを組み立て、正解にたどり着く力~「論理的思考力」をつける

この推理パズルを解くときには、問題文から読み取れる事実を、すべて書きだします。

(例えば上の例題でいくと、”●てつやは、しゅんたより1才年上。”という条件から読み取れるのは、てつやは7才か8才、しゅんたは6才か7才である、という事実になります。)

その上で、他の文から読み取れることを重ね合わせて、書きだしたものを絞り込んでいきます。
こうして、問題文から確実に読み取れる事実を積み重ねていくと、たった1つの答えにたどり着くことが出来ます。

最初はいくつかあった可能性が×で消されて行って、1つだけが残る。
こうやって1つの答えにたどり着いた瞬間って、ものすごく達成感があって、なんだかとっても嬉しいんですよね~。

この達成感こそ「考えることの面白さ」「勉強の面白さ」であり、それを味わえるのが、この推理パズルの醍醐味ではないかと思います。

級が上がるにつれ問題はどんどん難しくなっていきますが、でも決して、なかなか思いつかないようなやり方じゃないと解けないとかそういうものではなくて、積み上げてさえいけば確実に解ける、という安心感があるというか

子どもによっては、適当に答えを当てはめてみて、合わなかったらまた違う答えを入れてみる、という感じで解いている子もいて。
実際、そのほうが早く解けたり、そういうやり方でないと解けない問題というのもあったりはすると思いますが・・・この推理パズルの趣旨からは外れていると思いますので、きちんと本来のやり方で解くように指導をしています。

このように、与えられた条件をもとに筋道立てて答えを導き出していく力というのは、この先の学習のいろんな場面において生きてくると思います。

 

最後に

読解が苦手で、最初は問題文を読んでもチンプンカンプンだった子が、『算数と国語を同時に伸ばすパズル』を解き続けていくうちに確実に力をつけていきます。

なにより、いろいろな種類の宿題の中でも「コレがいちばん好き!」という子が多いのも、感覚に頼らずに自分の力で答えを導き出していく楽しさ・面白さを子どもたちが感じているからではないかと思います!!


算数と国語を同時に伸ばすパズル 入門編


算数と国語を同時に伸ばすパズル 初級編


算数と国語を同時に伸ばすパズル 中級編


算数と国語を同時に伸ばすパズル 上級編