以前、大阪・梅田の大型書店をぶらぶらしていたら・・・
こんなPOPに目をうばわれました。
そのドリルとは・・・
宮本算数教室のパズル教材です。
藤井聡太棋士が幼少期に使っていたドリル『賢くなるパズル』
私の教室でも、藤井聡太四段が使っていたドリル『賢くなるパズル』と同じく、宮本算数教室の教材であるパズルを題材にしたドリルを小学生クラスで使用しています。
正確には、ディスカヴァー・トウェンティワンという会社から出版されている『強育パズル』というシリーズの旧版なのですが、1年生で『たし算パズルA 初級編』、『たし算 計算ブロック 初級編』を使っています。
『たし算パズルA 初級編』
マスの中に1~9までの数字を入れます。
→または↓からつづくマスの数の和が、数字と等しくなるようにします。
ひと続きのマスの中に同じ数を入れてはいけません。
『たし算 計算ブロック 初級編』
マスに1~3までの数字を1つずつ入れます。
どの列にも1~3の数字が1つずつ入ります。
数字は、太線で囲まれたブロックの数の和を表します。
『賢くなるパズル』でいうと、『たし算 初級』『たし算 中級』に該当するレベルです。
かたや、藤井四段が幼少期に使っていたという『賢くなるパズル 四則』は・・・『四則』ですから+、-、×、÷すべて入っています!
先ほどの店頭POPには「藤井聡太四段(14)が小学生の時に使っていた」とあるのですが・・・
同じ書店の別のPOPには、こちらのように日刊スポーツの記事(何月何日付けのものかPOPからは不明)が掲載されており、
見出しには
『羽生級天才は幼稚園時代から将棋脳育んだ』とあります。
記事本文を読んでみると、
茂木氏が思わずうなった。「驚くべき計算能力の高さです。」
藤井四段の幼稚園時代に解いたという四則演算のパズルを見た瞬間だ。
として、脳科学者の茂木健一郎氏のコメントと、藤井四段が解いた直筆の『賢くなる計算ブロック 四則上級』の写真が。
写真のキャプションには、式を書かずに頭のなかですべて計算と書かれています。
また記事には
足し算、引き算、掛け算、割り算の方法やルールを覚える。
掛け算は兄が覚える時にかけていた九九の音楽を聴いて、一緒に歌って覚えたという。
割り算はその逆で、考え方を教えてもらって自分でものにした。
とも。
幼稚園時代なのか?小学生なのか?詳細は不明ですが・・・
いずれにしても、藤井四段が幼い頃から素晴らしい能力の持ち主だったということは間違いありませんね。
『賢くなるパズル』の「賢くなる」ポイントとは!?
この『賢くなるパズル』の特長は、
計算力と思考力が同時に身につく!
集中力が身につく!
ねばり強さが身につく!
慎重さが身につく!
・・・というところですが、ポイントは、おうちのかたへのお願いとして『絶対に教えないでください!としているところ。
教室では小学生クラスの宿題として1年生から取り入れていますが、私はやり方を教えませんし、親御さんにもそのようにお願いをしています。
”ひとつの列に同じ数字を入れてはいけない”などのルールだけ理解したら、あとは自分で「あーでもない、こーでもない」と試行錯誤して、解いていきます。
みんな最初はテキトウなマスにテキトウな数字を当てはめては、合わなくなったら消してやり直して・・・という感じの力ワザで解いていっています。
つい「足してその数になる組み合わせがいちばん少ない数からやったほうが・・・」などと言いたくなりますが、そこはぐっとこらえます。
宿題として提出されたものを見ると、さんざん数字を書いては消ゴムで消しまくった苦労の跡がうかがえて、「よくがんばったね~」と心から誉めてあげたい気持ちになります。
こうして、ひたすら試行錯誤を繰り返していくうちに、楽して確実に解ける方法を自分で見つけられることを目指します。
足し算もままならない1年生の始めからスタートして、1年生の終わりにはこのような難しい問題も解けるようになっていきます。
しかしながら、大切なのは難しい問題が解けるようになることそのものよりも、試行錯誤しながら頭をフル回転させることで、思考力や集中力、ねばり強さを身に付けていくこと。
そして何より、子どもたちはみんなこのパズルが大好き!
数ある宿題の中でもこのパズルには真っ先に取り組む、という子が多いです。
さんざん苦労して解けた時の達成感がすごいんでしょうね。
ただ単に計算問題を解くだけのドリルとちがって、「むずかしいけど、おもしろい!」というのが、さらに難しい問題にチャレンジしていくモチベーションになります。
なお、以下の記事では小学校低学年の算数的思考力を伸ばすドリル・問題集をまとめてご紹介していますので参考にしてみてくださいね!
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