これからの時代に求められる「国語力」のために、小学生のうちからやっておくべきこととは

「うちの子は国語力がなくて・・・」という嘆き(?)の声を、生徒さんのお母さま方からよく聞きます。
この場合の「国語力」とは、「算数の計算問題はできるのに文章題がわからない」といった、問題を読んで意味を理解する力=読解力であったり、「作文や読書感想文がニガテで・・・」といった、自分の考えをうまく言葉や文章で伝える力=表現力であったり、意味するところは様々ですが・・・

いずれにしても「ことば」によって理解したり、伝えたり、コミュニケーションをとったりする力が弱い、あるいはもっと伸ばしたい、と感じている親御さんが多いようです。

折しも、来る2020年にスタートする教育改革によって今後必要となる学力は従来とは大きく変わり、「国語力」は今まで以上に求められることになります。

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2020年教育改革で何が変わるの?

2020年の教育改革では、大きく「学校教育」と「大学入試」の2つが変わります。

1.学校教育が変わる・・・「新学習指導要領」へ

新しい学習指導要領では、知識の習得が中心だったこれまでの学力から、新しい時代に必要となる「学力の3要素」として、以下の3つを育むことを目指しています。

⚫学びを人生や社会に生かそうとする、学びに向かう力・人間性

⚫未知の状況にも対応できる思考力・判断力・表現力

⚫生きて働く知識・技能

これらの力を身に付けるため、従来のような教師による一方通行の授業から、生徒自身が主体的・能動的に参加するアクティブ・ラーニングが取り入れられるなど「学び方」が変わります。
また小学校3・4年生での「外国語活動」や5・6年生での「英語」教科化など、教科・科目の内容も新しくなり「学ぶ内容」も変わります。

2. 大学入試が変わる・・・センター試験から「大学入学共通テスト」へ

大学入試では、上で述べた「学力の3要素」、

学びに向かう力

・思考力・判断力・表現力

・知識・技能

を多面的・総合的に評価するため、従来のセンター試験に代わり「大学入学共通テスト」が導入されます。
「大学入学共通テスト」では国語と数学で「記述式問題」が導入され、英語では、従来の2技能(聞く、読む)から「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能評価となり、TOEFLやTOEICなど、民間の資格・検定試験が活用されることになります。

「大学入試共通テスト」の記述問題とは

上述のように、新しい大学入試制度である「大学入試共通テスト」では、新学習指導要領で示された「学力の3要素」の1つ、思考力・判断力・表現力』をより重視した問題が出題されます。

共通テストは、大学入学希望者を対象に、高等学校段階における基礎的な学習の達成の程度を判定し、大学教育を受けるために必要な能力について把握することを目的とする。

このため、各教科・科目の特質に応じ、知識・技能を十分有しているかの評価も行いつつ、思考力・判断力・表現力を中心に評価を行うものとする。

「大学入試共通テスト 実施方針」より

書く力6.記述式問題の実施方法等

(1)国語

②評価すべき能力・問題類型等

多様な文章や図表などをもとに、複数の情報を統合し構造化して考えをまとめたり、その過程や結果について、相手が正確に理解できるよう根拠に基づいて論述したりする思考力・判断力・表現力を評価する。

「大学入試共通テスト 実施方針」より

 

これまでのセンター試験では、誰か一人の考えが述べられた文章を読んで、選択肢の中から判断する問題が出題されていましたが、2017年5月に公表された「大学入試共通テスト」のモデル問題では、複数の資料(文章や図表など)を読み取って総合的に考察し、自分の考えを文章にまとめて表現する力が求められています。

国語 記述式問題 問題例Ⅰ

かおるさんの家は、【資料A】の 「城見市街並み保存地区」 に面している、伝統的な外観を保った建物である。 城見市が作成した景観保護に関する【資料B】「城見市 『街並み保存地区』景観保護ガイドラインのあらまし」と、かおるさんの父と姉の会話を読み、後の問い(問1~4)に答えよ

【資料A】「城見市街並み保存地区」の地図

【資料B】「城見市 『街並み保存地区』景観保護ガイドラインのあらまし」

かおるさんの父と姉の会話文

大問全体の出題のねらい

架空の行政機関が広報を目的として作成した資料等を題材として用い,題材について話し合う場面や異なる立場からの提案書などを検討する言語活動の場を設定することにより,テクストを場面の中で的確に読み取る力,及び設問中の条件として示された目的等に応じて表現する力を問うた。

「大学入学共通テスト(仮称)」記述式問題のモデル問題例より

モデル問題例を見てみると、問題文がとても長く、複数の資料を読まないと答えを導き出すことができない問題となっていることがわかります。

(※問題の詳細をご覧になりたい方は、こちらのリンク➡「大学入学共通テスト(仮称)」記述式問題のモデル問題例を見てみてくださいね。)

すなわち「大学入試共通テスト」に見るこれからの時代に求められる「国語力」とは、「文章や図表などから情報を読み取る力」「情報をもとに自分で考える力」「考えたことを文章で表現する力」ということが言えます。

これからの時代に求められる「国語力」を伸ばすには

これからの時代に求められる「情報を読み取る力」「自分で考える力」「言葉で表現する力」を伸ばすにあたり、小学生のお子さんをもつご家庭で、今からやっておくべきこととは何でしょうか?

『プレジデントファミリー2018春』号の特集「名門校校長アンケート 小学生が今やるべき3つのこと」では、「2020年の教育改革をふまえ、これからの時代に小学生が家庭でやっておくといいことを教えてください」という質問に対する、全国の名門校18校の校長先生の回答が掲載されていました。


プレジデントFamily (ファミリー)2018年 4月号 [雑誌]【電子書籍】[ プレジデントFamily編集部 ]

各学校の校長先生からの回答で最も多かったのが「考える習慣」をつけることそのためにやるべきこととして、各回答をまとめた5つの項目があげられていました。

①「読書」や新聞を読むこと、本の読み聞かせなど活字に触れること

②キャンプや登山など自然の中で遊ぶことやスポーツなどの「外遊び」で豊かな体験を積むこと

③「自分の好きなことに打ち込む」ことで自信を持つこと

④経験したことを子供自身が「たくさん話す」こと

⑤「規則正しい生活」を送ること

実に、5項目のうち2項目が、国語の四技能「読む」「聞く」「話す」「書く」のうちの「読む」「話す」、すなわち「国語力」に関わることになっています。やはり、これからの時代に必要な学力において「国語力」が占める割合は大きいと言えそうです。

 

各学校の校長先生からの回答のうち、「国語力」に関わる具体的な項目をピックアップしてみました。

・読書をとおして言葉だけでなく心も豊かに。

・新聞を読む。社会を知り視野を広め、家庭でも話題にして、自分の考えを持つことは重要。

・コミュニケーション能力を養う。大切なのは、子供の話を親が最後までしっかり聞くこと。

・子供が話をする時間を親の2倍以上にする。人に伝わる話をすることによって、頭の中が整理でき、論理の構築が行われる。

・「読み聞かせ」などを通じて早期より読書に興味を持たせ馴染ませる。

・活字に親しみ、読後、家族で感想や意見を共有する。語彙力、読解力や、自分と異なる意見に耳を傾け、受容するコミュニケーション力を身につける。

・活字に慣れる。文を読んで出題者の意図を素早く的確にとらえる能力がすべての教科の基礎になる。

・読書習慣をつけることで想像力を養うことができる。視野が広がり、自己を客観視できるようになる。

・対話力を身につける。言葉がけ、子供の思いをじっくり聞く。

・読書などで語彙を増やす。

・地球的規模の課題について、親子や兄弟姉妹で対話をしてみる。

新聞や本を読むことで、語彙を増やしたり読解力をつけるのは言わずもがなですが・・・
世の中で起きている出来事に興味を持ち、そのことに対し自分なりの考えを持つこと、また、その考えを家族で話し合うことで、自分の考えを他人に伝えるコミュニケーション能力や、他人の意見を受け入れる姿勢をやしなうことにつなげる、というのが大きな目的であると言えますね。

最後に

2020年からスタートする学習指導要領改訂・大学入試改革に伴い、今後ますます「国語力」が求められるようになります。
お子さんが新しい時代を生きぬく力を身につけるために、ご家庭で親御さんの意識ひとつで今すぐ実行できることは多いので、ぜひ、今日からでも始めてみてくださいね。

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