『自分のあたまで考えるドリル』は、「算数・数学 思考力検定」を実施する団体が監修し、読解力・論理力・発想力を伸ばすことを目的としたドリル。
「算数・数学 思考力検定」の対応テキストといえば『算数ラボ』がありますが、こちらの記事では『自分のあたまで考えるドリル』について、『算数ラボ』との違いも踏まえてご紹介していきます。
自分のあたまで考えるドリル まず、これから。 小学1・2年生めやす よみとき・なぞとき・ひらめき [算数・数学思考力検定10級対応](TAC出版)
「自分のあたまで考えるドリル」ってどんな教材?
「算数・数学 思考力検定」の実施団体が監修
上でも述べたとおり、『自分のあたまで考えるドリル』は、「算数・数学 思考力検定」を実施するIML国際算数・数学能力検定協会が監修しています。
「算数・数学 思考力検定」とは、算数・数学の問題を解くことを通じて、子どもの「思考力」の程度を知るための検定。(関連記事:「数学・算数検定」と「算数・数学思考力検定」の違いって何?どっちを受検すべき?)
受検対策用のサポート教材を用いて継続的に学習することで、速く計算したり公式に数字を当てはめるだけでなく、物事を論理的に考えて解決する力などの”より高い思考力”を身につけることを目的としています。
『自分のあたまで考えるドリル』には、「算数・数学 思考力検定」各級に対応した70問が掲載。
ステップ1:練習問題(35問) → このドリルのために開発されたオリジナル問題
ステップ2:過去問(35問) → 算数・数学思考力検定10級で実際に出題された問題
この2つのステップで、「算数・数学 思考力検定」の受検対策はもちろん、受検をする・しないにかかわらず、その名のとおり”自分のあたまで考える力”をつけることを目的としています。
「算数・数学 思考力検定」の級 | 対応する『自分のあたまで考えるドリル』 |
※10級の問題をやさしくしたもの | 『自分のあたまで考えるドリル』年長・小1めやす
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10級(小学1~2年生程度) | 『自分のあたまで考えるドリル』小学校1・2年めやす
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9級(小学3年生程度) | 『自分のあたまで考えるドリル』小学校3年めやす![]() 自分のあたまで考えるドリル まず、これから。 小学3年生めやす よみとき・なぞとき・ひらめき [算数・数学思考力検定9級対応](TAC出版) |
8級(小学4年生程度) | 『自分のあたまで考えるドリル』小学校4年めやす![]() 自分のあたまで考えるドリル まず、これから。 小学4年生めやす よみとき・なぞとき・ひらめき [算数・数学思考力検定8級対応](TAC出版) |
※関連記事:「数学・算数検定」と「算数・数学思考力検定」の違いって何?どっちを受検すべき?
小学生でも受検できる検定として「算数検定(数検)」や「算数・数学思考力検定」という名前を耳にしたことがある方は多いと思います。 この2つの検定、どちらも算数に関連する検定で名前も似ているので、「違いが今ひとつよくわからない・・・」とい[…]
よみとき(読解力)・なぞとき(論理力)・ひらめき(発想力)を伸ばす
「算数・数学 思考力検定」の出題内容は、5つの【算数の内容の観点】と3つの【考える力の観点】から成り立っています。
それに伴い、『自分のあたまで考えるドリル』もこれに対応した内容となっています。
・数と量
・空間と形
・変化と関係
・データと不確実性
・論理
【考える力の観点】
・情報・条件を使いこなす力
・筋道をたてて考える力
・物の形を認識・想像する力
【算数の内容の観点】とは、算数のどの分野の問題か?ということで、数(量)、図形(平面・立体)、表やグラフ、文章題まで幅広くカバーされています。
また【考える力の観点】をわかりやすく言い換えると
⇒よみとき(読解力)
・筋道をたてて考える力
⇒なぞとき(論理力)
・物の形を認識・想像する力
⇒ひらめき(発想力)
となり、『自分のあたまで考えるドリル』ではこの5つの【算数の内容の観点】と3つの【考える力の観点】を掛け合わせた問題が出題されています。
「自分のあたまで考えるドリル」と「算数ラボ」の違いは!?
上で述べたとおり、『自分のあたまで考えるドリル』は、「算数・数学 思考力検定」で問われる、5つの【算数の内容の観点】と3つの【考える力の観点】を掛け合わせたバリエーション豊富な問題が出題され、バランスよく算数的思考力を伸ばすことができます。
つまり『自分のあたまで考えるドリル』は、「算数・数学 思考力検定」の対策テキスト『算数ラボ』と同じ目的・同じ内容で作られている、ということになります。
そこで、『自分のあたまで考えるドリル』と『算数ラボ』との違いを踏まえて、『自分のあたまで考えるドリル』のおすすめポイントをお伝えしていきます。
「自分のあたまで考えるドリル」と「算数ラボ」を問題数で比較
「算数ラボ」
難易度レベル:ステージ①~③、「チャレンジ」の4段階+確認テスト
問題数:計150問以上
「自分のあたまで考えるドリル」
難易度レベル:ステップ1(練習問題)・ステップ2(過去問)の2段階
問題数:計70問
『算数ラボ』は、ステージ①⇒➁⇒③⇒チャレンジの4段階の難易度に分かれ、10級・9級の「チャレンジ」では1つ上の級のレベルの問題が、また8級以上では私立中学の入試問題や全国学力テストB問題の類題などが出題されています。
また、各ステージ終了後には10問程度の「確認テスト」があり、考える力がどの程度ついたかを確かめることができます。
問題数はステージ①が50問、ステージ②が40問、ステージ③が30問の計120問にプラスして、チャレンジ問題が5~10問、確認テストが30問、トータルで150問以上という問題数の多さも「算数ラボ」の特徴となっています。
一方『自分のあたまで考えるドリル』は難易度が2ステップに分かれ、ステップ1(練習問題)は少しやさしめ~ふつうレベルの問題、ステップ2では、思考力検定10級の過去問が出題され、より深く考えることが必要になります。
また問題数はステップ1と2それぞれ35問ずつの計70問で、『算数ラボ』と同じ値段(税込880円)で問題数は半分以下となります。
ですので、「同じ金額なら問題数が多い方がよい」「コスパ重視」という方には『算数ラボ』のほうがおすすめとなります。
「自分のあたまで考えるドリル」と「算数ラボ」を内容で比較
算数ラボ』も『自分のあたまで考えるドリル』も、「算数・数学 思考力検定」で問われる5つの【算数の内容の観点】と3つの【考える力の観点】を掛け合わせた、似たような問題が出題されています。
というか、ほぼ同じ内容の問題も多くあり、どちらを用いても同じ力を伸ばすことができるようになっています。
しかしながら、それぞれ問題の出し方には違いが。
算数ラボ↓
自分のあたまで考えるドリル↓
算数ラボ↓
自分のあたまで考えるドリル↓
「算数ラボ」は大きめのA4サイズに1ページ1問。
解き方のヒント的なものは一切なく、シンプルに問題が書かれているだけの愛想ないつくり。
だからこそ、「解き方を覚えて、類似する問題が解けるようになる」ことが目的というよりは、「問題を読んで、いちから自分で解き方を考えて取り組む」ことに主眼を置いているということが言えます。
一方『自分のあたまで考えるドリル』は全頁カラーにシール付きで、子どもの取り組みやすさを意識しているだけでなく、ほとんどのページにひとことヒントが記載されています。
なお実際の思考力検定の問題は単色で出題されますが、『自分のあたまで考えるドリル』では過去問もフルカラーで、問題によってはヒントも書かれています。
なので、いちから自分のアタマで考えることにまだ慣れていないお子さんや、家庭での学習習慣が定着していないお子さんがあまり抵抗感なく取り組むには、『自分のあたまで考えるドリル』のほうがおすすめとなります。
まとめ
「自分のあたまで考えるドリル」ってどんな教材?
・「算数・数学 思考力検定」を実施する団体が監修
・3つの「考える力」、よみとき(読解力)・なぞとき(論理力)・ひらめき(発想力)を伸ばす
「自分のあたまで考えるドリル」と「算数ラボ」の違いは!?
・値段:どちらも税込880円
・問題数:「算数ラボ」150問以上、「自分のあたまで考えるドリル」70問
・内容:出題内容はどちらも似ている。
「算数ラボ」は単色刷りでシンプル、問題のみでヒントなし。いちから自分で考える姿勢を育む。
「自分のあたまで考えるドリル」はフルカラー、シール付き。各ページにヒントが書かれていて取り組みやすい。
それぞれどんな人におすすめ?
・「同じ金額なら問題数が多い方がよい」「コスパ重視」なら『算数ラボ』がおすすめ。
・「イチから自分のアタマで考えることにまだ慣れていない」「家庭での学習習慣が定着していない」なら『自分のあたまで考えるドリル』がおすすめ。
こちらの記事では、『自分のあたまで考えるドリル』の他にも算数的思考力をやしなう小学校低学年向けおすすめのドリル・問題集をご紹介していますので、参考にしてみてくださいね!
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