『ふくしま式「本当の国語力」が身につく問題集 小学生版ベーシック』で3つの国語力を身につける

『ふくしま式「本当の国語力」が身につく問題集 小学生版ベーシック』は、「国語力とは論理的思考力である」という定義のもと「ふくしま国語塾」を主宰、また多数の著書や問題集を出版されている福嶋 隆史先生の問題集。

「ふくしま式」に最初に取り組むスタートラインとして、主に小学校1~3年生を対象としています。


ふくしま式「本当の国語力」が身につく問題集[小学生版ベーシック]

『ふくしま式「本当の国語力」が身につく問題集 小学生版ベーシック』で身につく3つの国語力

福嶋 隆史先生が提唱する「ふくしま式」では、国語力とは論理的思考力である、と定義づけています。

論理的思考力とは「バラバラの考えや答えを整理する(関係づける)ための力」であり、整理する目的は、バラバラの考えや言葉を「誰か(自分も含めて)に伝える」こと。

そして、私たちが何かを整理して誰かに伝えるとき、その方法は以下の3つに集約されます。

①まとめて伝える/分けて伝える

➁くらべながら伝える

③順序よく伝える

この3つに必要なのが、ふくしま式で言うところの3つの国語力になります。

①言いかえる力(同等関係整理力)
一見バラバラに見えるものの中に「共通点」を見つけ出し、整理する力。「抽象化」と「具体化」の力

➁くらべる力(対比関係整理力)
一見バラバラに見えるものの中に「対比関係」を見つけ出し、整理する力。

③たどる力(因果関係整理力)
一見バラバラに見えるものの「因果関係」(原因と結果)を見つけ出し、整理する力。

一般的に、国語力は「話す力」「聞く力」「書く力」「読む力」のように分類されることが多いですが、この分類は例えて言うと「野球力」「バスケ力」「サッカー力」などと言っているようなもの。

りんこ
スポーツという分野の中の、それぞれ違う競技をあらわしているようなものでしょうか・・・

一方、前述の3つの力①言いかえる力➁くらべる力③たどる力は、例えていうと「走る力」「投げる力」「跳ぶ力」といった原初的技能をあらわしています。

「話す」「聞く」「書く」「読む」いずれにも、この3つの力(①言いかえる力➁くらべる力③たどる力)が必要になります。

『ふくしま式「本当の国語力」が身につく問題集 小学生版ベーシック』では、この3つの力を身につけることが目的となっています。

りんこ
以下で、『ふくしま式「本当の国語力」が身につく問題集 小学生版ベーシック』の内容をパートⅠ~Ⅴまで順番にご紹介していきます。

 

パートⅠ 言いかえる力・・・「同等関係」を整理する力

「言いかえる力」とは、一見バラバラに見えるものの中に「共通点」を見つけ出し、整理する力。

すなわち「言いかえる力」とは、抽象的なものを具体的に言いかえたり(抽象化)、逆に具体的なものを抽象的に言いかえる(具体化)力のこと。

<具体>は、「みかん」「りんご」「バナナ」など個別のものを言いあらわす、詳しい言い方。

<抽象>は、「果物」という、みかん・りんご・バナナをまとめた言い方。

具体化するほど意味が狭まり、含まれるものが減ります。
反対に、抽象化するほど意味が広がり、含まれるものが増えます。

抽象化(具体的なものを抽象的に言いかえる)

→「みかん、りんご、バナナ。つまり、果物。」

具体化(抽象的なものを具体的に言いかえる)

→「果物。たとえば、みかん、りんご、バナナ。」

パートⅠでは、このように具体的なものを抽象的に言い換えたり、逆に抽象的なものを具体的に言い換えたりするトレーニングを行います。

 

ほとんどが語句や短い文を組み立てる問題ですが、各パートの最後には、文章を読んで考える問題も出題されています。

パートⅡ くらべる力・・・「対比関係」を整理する力

「くらべる力」とは、一見バラバラに見えるものの中に「対比関係」を見つけ出し、整理する力のこと。

「昼は明るいが、夜は暗い」のように、ある一つの観点でものごとを比較するのが「対比関係」です。(この場合は、昼と夜を「明るさ(明暗)」で比較しています。)

対比する言葉には、「反対語」と「否定表現」があります。

「明るい」の反対語・・・「暗い」

「明るい」の否定表現・・・「明るくない」

また対比関係をあらわす接続語(つなぎ言葉)には以下のようなものがあります。

・それに対して
・一方
・しかし
・でも
・が
・ではなく
このパートでは、対比関係をあらわす接続語(つなぎ言葉)の前後を考えて、2つのものをくらべる文を作るトレーニングを行います。

パートⅢ くらべる力+言いかえる力・・・「対比関係+同等関係」を整理する力

 

パートⅢの「くらべる力+言いかえる力」(「対比関係+同等関係」を整理する力)は、この小学生版ベーシックで新設された項目。

「言いかえる力」と「くらべる力」は”同時に使う”ことがきわめて多いため、既刊の2冊(「ふくしま式「本当の国語力」が身につく問題集 小学生版」、「ふくしま式「本当の国語力」が身につく問題集 小学生版2」にはないこのパートが新たに加えられました。

例:具体的な文(対比関係)を抽象的な文(対比関係)に言いかえる

「ぞうやキリンよりも、うさぎやハムスターのほうが好きだ。」

〇 「大きな動物よりも、小さな動物のほうが好きだ。」
※対比の観点:「大⇔小」

✕ 「大きな動物よりも、静かな動物のほうが好きだ。」
※対比の観点:「大⇔小」と「動⇔静」がごちゃまぜ

 上記の例文「大きな動物よりも、小さな動物のほうが好きだ。」では、「大きいか小さいか(大⇔小)」という一つの観点でくらべています。
一方「大きな動物よりも、静かな動物のほうが好きだ。」では、「大きいか静かか」つまり、「大⇔小」「動⇔静」という二つの観点がごちゃまぜになっているため”くらべている”とは言えません。

パートⅣ たどる力・・・「因果関係」を整理する力

「たどる力」とは、一見バラバラに見えるものの中に「結びつき」を見つけ出し整理する力。すなわち「因果関係」を整理する力です。

「因果関係」とは「原因と結果の関係」のこと。

宿題を忘れた。だから、叱られた。・・・A <原因>だからB<結果>

叱られた。なぜなら、宿題を忘れたからだ。・・・B<結果>なぜならA<原因>

「AだからB」は「BなぜならA」に置き換えることができます。

このパートでは、「AだからB」の文を「BなぜならA」に変換したり、「AだからB」「BなぜならA」の文のA (原因)やB(結果)を答える問題などが出題されます。

パートⅤ 「3つの力」総合問題

パートⅤでは、ここまで学んできた3つの力

①言いかえる力・・・同等関係整理力
➁くらべる力・・・対比関係整理力
③たどる力・・・因果関係整理力

これらを使って、まとめの問題にチャレンジします。

『ふくしま式「本当の国語力」が身につく問題集 小学生版ベーシック』のメリット・デメリット

『ふくしま式「本当の国語力」が身につく問題集 小学生版ベーシック』のメリット

小学校低学年から「3つの国語力」が身につく

『ふくしま式「本当の国語力」が身につく問題集 小学生版ベーシック』では、3つの国語力(①言いかえる力➁くらべる力③たどる力)のトレーニングという本質的な構造はそのままに、小学校低学年が取り組みやすいよう工夫されています。

長文読解のような複雑な問題はゼロに等しく、短い語句・文・文章を組み立てるシンプルな問題がほとんど。

且つ、文章の中であつかう題材も、小さな子にとって身近なものを取り上げています。

問題を解くことで自然に「語彙力」がつく

『ふくしま式「本当の国語力」が身につく問題集 小学生版ベーシック』では、小学校低学年の子どもに身近な言葉を使うと同時に、少し耳慣れないけれど前後の文脈から推測できる程度の言葉や、親御さんがちょっと説明してあげればすぐわかるような言葉をあえて入れることで、問題を解いていくうちに自然と語彙力が向上するしくみに。

「漢字+ルビ」表記で未知の漢字も読めるように

『ふくしま式「本当の国語力」が身につく問題集 小学生版ベーシック』では、小学校の学習漢字に入っていないものも、あえて「漢字+ルビ」で表記しています。

問題を解く過程で漢字を目にし、それを読む経験を積むことで知らず知らずのうちに未知の漢字を読む力も身につけることができるように。

また、そもそもひらがなだけで書かれた文よりも、漢字を使って表記することで助詞が浮き上がり、文章の構造が一目でわかりやすくなるというメリットも。

例:

ひらがなのみで表記: くりやまつたけをもっていってやる

漢字とひらがなで表記:栗や松茸を持って行ってやる

(新美南吉「ごんぎつね」)

りんこ
漢字を使っているほうが読みやすいのは一目瞭然

『ふくしま式「本当の国語力」が身につく問題集 小学生版ベーシック』のデメリット

お子さん一人で取り組むのは難しい

『ふくしま式「本当の国語力」が身につく問題集 小学生版ベーシック』は小学校低学年向けにつくられていますが、小学校低学年のお子さんが一人でサクサク取り組めるような類の問題集ではありません。

親御さん自身が「3つの国語力」について理解をした上で、問題をかみ砕いて説明してあげないと難しい部分が多くなるかと思います。

りんこ
国語が苦手なお子さんの場合はなおさら親御さんの手助けが必要

お子さんだけで進められない分、親御さんの手間がかかるという意味ではデメリットと言えますが、その分、理論の説明や解き方のポイント、解答・解説が充実しているので、まずは親御さんが理論についてしっかり理解した上で、お子さんと一緒に考えながら進めていくのが理想的です。

なお、福嶋 隆史先生の著書『「本当の国語力」が驚くほど伸びる本』を読めば、3つの国語力についてより理解が深まるので、ご興味のある方はぜひ読んでみてくださいね。

偏差値20アップは当たり前! 「本当の国語力」が驚くほど伸びる本 (大和出版)

解答・解説が別冊になっていない

上で述べたとおり、『ふくしま式「本当の国語力」が身につく問題集 小学生版ベーシック』は保護者向けの解説が充実しているのも特徴の一つ。

しかしながら、「解答と解説」の部分を本体から取り外すことができないので、採点の際に見にくい、というのがマイナスポイント。

「解答と解説」24ページ分をカッターで切り取るか、本体から無理やり引きちぎるしかなさそうです。

りんこ
私はやっていませんが・・・

とはいえ、この問題集を1回だけでなく2巡目も繰り返して解く、もしくは兄弟で使うなどの理由で、問題部分をコピーして使用する場合はまったく問題にならないので、デメリットというほどでもないかもしれませんね。

最後に

学校や進学塾でも教えてくれない、国語力を伸ばす「方法」とは・・・

「何を読むか?」ではなく「どう読むか?」、すなわち読む方法(型)。

また「何を書くか?」ではなく「どう書くか?」、すなわち書く方法(型)が重要。

この「型」を小学校低学年のうちから身につけることを目指したいなら『ふくしま式「本当の国語力」が身につく問題集 小学生版ベーシック』に取り組んでみることをおすすめします。

なおこちらの記事では、『ふくしま式「本当の国語力」が身につく問題集 小学生版ベーシック』の他にも小学校低学年の「国語力」を伸ばすオススメのドリル・問題集をご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね!

*関連記事:小学校低学年の「国語力」を伸ばすオススメのドリル・問題集まとめ

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