「1桁、2桁の足し算・引き算がぱっとできない」
「筆算をしないとわからない(「暗算ができない)」
というお子さんにぜひ紹介したいのが、カードゲーム『 ロボ77』。
カードに書かれた数字をどんどん足していくだけの単純なゲームなのですが・・・
我が教室の小学生の間で大人気。
計算が嫌いで、計算ドリルをなかなかやらない男の子がハマり、「林間学校に持っていきたい」とせがんで買ってもらったほど。
シンプルながら子どものみならず大人も楽しめる『 ロボ77』をご紹介します。
『 ロボ77』(LOBO77 )とは
『 ロボ77』のセット内容は、カード55枚とチップ24枚。
数字カード
・2~9(各3枚)
・10(8枚)
・11、22、33、44、55、66、76(各1枚)
・0、-10(各4枚)
アクションカード(各4枚)
・方向転換(順番が逆回りになる。)
・×2(次の人はカードを2枚出す。)
遊び方
カードをシャッフルして、各プレイヤーにカード5枚ずつとチップを3枚ずつ配ります。
残りのカードは山札として中央に置きます。
各プレイヤーが順番に、手札から1枚選んで、数字を言いながら表向きに場に出します。
次の人は、場の数と、自分が新しく出したカードの合計を言います。(『-10』カードの場合は、場の数の合計から10を引きます。)
カードを出したら、山札から1枚取って手札に加え、常に5枚持っている状態にします。
場の数の合計が「ゾロ目」や「77」を超えてしまうと、チップを1枚失います。
全てのチップを失うとゲームから退き、最後まで残ったプレイヤーが勝ちとなります。
以上、ひたすら場の数字と自分が出すカードの数字を足していくシンプルなゲームです。
どのタイミングでどのカードを切るか、ハラハラドキドキで大人でも子どもと対等に楽しめるゲームです。
『 ロボ77』が計算嫌いな小学生におすすめな理由
1ケタ・2ケタの足し算を遊びながらたくさん行える
上でご紹介したとおり、このゲームではひたすら1桁+1桁、1桁+2桁、2桁+2桁のカンタンな計算を暗算で行います。
計算がニガテな子が計算力を高めるには、当然ながら計算の練習が必要ですが、計算嫌いな子ほど計算ドリルをするのは楽しくないもの。
できれば、本人も意識していないうちに計算をたくさん行い、いつのまにか計算力が身についている、という状態が理想です。
その点、このゲームは理想的!
勝ち負けがかかると俄然子どもはやる気になります。
場の数の合計がゾロ目になったり77を超えたら負けてしまうのですから、計算間違いをする訳にはいきません。
我が教室でも、「計算はニガテ」「計算は嫌い」という小学校低学年のお子さんが、レッスン後のゲームタイムには進んで『ロボ77』で楽しんでいます。
合計の数字を覚えながら行うので「ワーキングメモリ」も鍛えられる
「ワーキングメモリ」とは、頭の中の「メモ帳」に短時間のあいだ情報を保持し、必要なときに引き出して活用する力のこと。
たとえば黒板の板書をノートに書き写す時、黒板に書かれた文字をいったん頭の中の「メモ帳」に記憶し、それをノートに書き出します。
また計算問題を解く時、問題中の数字を頭の中の「メモ帳」に書き留めながら、計算ルールを適用して答えを出し、その数字をノートに写します。
ワーキングメモリが学習に及ぼす影響は研究の成果により一貫して示されていて、学業成績におよぼす影響が大きいのは知能よりもむしろワーキングメモリであることが知られています。
それは、「場の数の合計」を常に覚えておかなくてはいけないこと。
これが意外にハードルが高く、私もゲーム中、意識していないとつい忘れてしまいますし、子どもたちは「今いくつだっけ?」としょっちゅう聞いています。
『ロボ77』で遊ぶことで、計算力だけでなく、頭の中で一時的に情報を保持し、保っていた情報を必要なときに引き出すワーキングメモリの力を伸ばすことにもつながります。
最後に
『ロボ77』は短時間でゲームの決着がつくので、スキマ時間や勉強の合間にぱっと遊べるのも良いところ。
私はレッスン最後の時間に、生徒さんと1対1で『ロボ77』をすることが多いのですが、その際にはカードのみでコインは使わず、どちらかが77を超えたら負け、として行っています。
すると1回のゲームの所要時間は5~10分程度ですぐに勝負がつくので、本当に時間がない時でもスキマ時間で勝負を終わらせることができます。
お子さんが「計算嫌い」「計算がニガテ」でお困りの方にぜひおすすめしたいゲームです。