『発達障害&グレーゾーンの子の「できた!」がふえる おうち学習サポート大全』は、発達障害&グレーゾーン個別指導教師である植木 希恵さんが20年以上子どもたちと関わってきた経験を踏まえて、おうちで子どもの学習サポートをする際の基本的な考え方と、具体的なサポート方法を教えてくれる本。
今回の記事ではこちらの書籍から、以下についてご紹介します。
・ 子どもの学習サポート時に有効な3つの役割
・ 学習サポートの基盤となる3つの考え方
なおこちらの書籍は、Amazonの電子書籍が読み放題の「Amazon Kindle Unlimited(アマゾン キンドル アンリミテッド」に含まれています。
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発達障害&グレーゾーンの子の「できた!」がふえる おうち学習サポート大全
勉強時間は「実験タイム」。子どもをよく観察しよう!
著者曰く、発達障害のある子どもたちは障害物競争をやっているようなもの。
お子さん自身が、勉強するときの自分の特性や、どんな環境だと勉強がはかどるかを知っていると、障害物を意図的に減らすことができます。
ご家庭では、勉強や宿題に取り組む時間が親子関係悪化の引き金となってしまっていることがよくありますが・・・
いっしょに勉強や宿題に取り組む時間を「イライラに耐える苦行」ではなく、お子さんをよく観察し、お子さんに合うやり方や環境を知ることができる貴重な「実験タイム」としてとらえましょう。
お子さんを観察していて気づいたことを共有することで、お子さん自身が「どういう状況なら理解できるのか」「どんな先生を選ぶといいのか」「どういう覚え方や解き方の練習をすると思い出しやすくなるのか」など、一生役に立つ自分自身の取り扱い方を知ることにもつながります。
子どもの学習サポート時に有効な3つの役割
子どもの特性にかかわらず、学習サポート時に保護者が果たすと有効な3つの役割は以下のとおり。
・ヨイショ係・・・うまくいっていることを言葉で伝える
・生徒係・・・子どもにやり方を教えてもらう
3つの係に取り組むと、保護者の役割が「教える」から「観察する」に切り替わります。
大人が子どもの観察と環境調整に徹することで子どもの負担が減り、勉強に集中できる環境が整います。
①消しゴム係・・・子どもの「消す」負担を減らす
勉強が苦手な子どもたちの多くは、消しゴムで「消す」作業にストレスを感じます。
「消す」作業そのものが負担になる場合もあれば、消しゴムで消すことで「間違えた」とあらためて認識するのが苦手な場合もありますが・・・
そういう子に対しては、大人が消しゴムで消してあげることで負担が減り、やり直しを厭わなくなるように。
なお「消しゴム係」としてサポートする場合の注意点は、「消してもいい?」と一言聞くこと。
あくまで宿題は子どものテリトリーなので、勝手に侵入しないようにしましょう。
また「どこを消そうか?」と聞くことでやりとりが生まれ、子どもが自分の意思を言葉で伝える練習にもなります。
なおタブレットのノートアプリはワンタップで消せるので、作文の下書きや反復学習をする時などに活用するのもおすすめ。
消すのは「戻る」ボタンをタップするだけなので、「消す」ことの負担を物理的にも心理的にも減らすことができます。
②ヨイショ係・・・うまくいっていることを言葉で伝える
発達障害のある子どもは、不注意やコミュニケーションが取りづらいせいで叱られたり注意されることが多いもの。
そのため「何がダメなのか」はよくわかっているものの、「何がいいのか」はわかっていないことが多いです。
だから、うまくできたときは「何がよかったのか」を言葉にして何度も伝えてあげましょう。
発達障害のある子どもの中には、自分を客観視する力の弱い子がいます。
「ちゃんと進んでいるよ」「ここが前よりもできるようになっているよ」と以前との違いを具体的に教えてあげることで自分を客観視できるようになり、「自分はわかっている」「できるようになっている」と感じられるようになります。
また、ほめるのは「これがOKの基準だよ」と教える意味もあるので、「すごいね」「いいね」だけでなく「このはらいがいい角度だね」「この字はゆっくり書けたね」など事実を混ぜて具体的にほめるのがコツです。
③生徒係・・・子どもにやり方を教えてもらう
計算などのやり方が親世代のときと変わっていることがあり、先生と保護者とでやり方が違うと、発達障害のある子は「どっちが正しいの?」と混乱してしまう場合も。
保護者が生徒係になって子どもにやり方を教えてもらうことで、より深く理解できるようになり説明する力もつきます。
子どもがわからない場合には「もしかしたらこう?」と説明を加えながら示し、「合ってる?」と聞く。
もし子どもが教えてくれたことが間違っていたら「教科書を見てみようか」と促し、正しい方法を一緒に探してみましょう。
また「学校で教わっても1回で理解できるわけではない」と保護者がわかっていることも重要。
子どもがどれくらい練習すると知識が定着するのかを観察したり、的確な質問ができるようになります。
注意点としては、ASDの子の場合「親と子」から「生徒と先生」へと役割が変わることが受け入れられず、「いつもと違うことをやらされた」「本当はわかっているのに意地悪をされた」など不信感につながることもあるため慎重に行いましょう。
3つの係に取り組むときの心構え
消しゴム係・ヨイショ係・生徒係の3つの係に取り組むときに大切な心構えは、評価と監視はしないこと。
保護者は先生でも警察官でもない、ということを忘れないように気をつけましょう。
「良い・悪い」
「できている・できていない」
「速い・遅い」
「きれい・汚い」
✕「うちの子集中力がないみたい。このままで大丈夫かな」
→「集中力がないのはよくない」と「評価」している。
〇「うちの子、わからない問題があると集中力が切れるみたい。計算問題はまあまあできるから、わかってないのは日本語かも。」
→事実をそのまま受け止めているので「観察」。
3つの係で「観察」に慣れたら、さらに以下の4つの視点で子どもを観察し学習をサポートしましょう。
②どういう方法だと新しいことを理解できるか(例:書いて見せる、口で言う、実際に見せる)
③どういう環境だと「新しく知ったこと」を練習できるか
④できないことがある場合、別の方法で補えないか
学習サポートの基盤となる3つの考え方
本著では、著者が子どもたちの学習をサポートする際の基盤となる考え方が3つ紹介されています。
本来、学習サポートは人や状況が違えば対応の仕方もまったく違ってきますが、著者が特徴も環境もバラバラな子どもたちと一緒に勉強できるのは、これらの基盤となる考え方をもとに、対応を一人ひとりアレンジしているから。
この考え方を持った上で目の前の子どもに起きている学習に関する困りごとを観察してみると、これまでとはまったく違って見えてくるはず、と著者は述べています。
学習サポートの基盤となる3つの考え方
①円環的因果律・・・原因は「直線」の先ではなく「円」の中にあると考える
②ポジティブな例外・・・たまたまうまくいった要因を見つける
③認知行動療法・・・思考と感情を分ける
①円環的因果律
子どもが「勉強がわからない」と投げやりになって文句を言う、宿題をダラダラと先延ばしにするなどの問題に対して、「子どもが悪い」「子どもが変わらないと」など『なぜ問題が起こったか』(原因)を探る考え方を”直線的因果律”と言います。
ある結果Aの原因はBであると、直線的にその因果関係を捉える
一方、人の関係や出来事は相互に作用し合っているというのが”円環的因果律”という考え方。
ある事実は原因にも結果にもなりうる(ある原因によって生じた結果が、次の結果の原因となり、循環している状態)
例:子どもが学校から帰って宿題をしないから保護者が何度も声をかける
子どもが宿題をやらない
→保護者が声をかける
→なかなかやらない
→さらに声をかける
→しかたなく宿題をやる
→ギリギリまで遊べるうえに宿題も終わる
→宿題をやらない(はじめに戻る)
・・・と、同じことをぐるぐると繰り返している状態。
”円環的因果律”では「問題を持続させているのはどういう連鎖(パターン)なのか」を考えます。
円環(連鎖)の構成要素をよく観察し、「なぜ問題が起こったか(原因)」ではなく「何が問題を持続させているのか」がわかると「何をどう考えればいいのか」がわかります。
・子どもの行動にはどんなパターンがある?
・それには誰がどうかかわっている?
・よく見られる子どもの態度や反応は?
・自分の言い方や返事の仕方、気持ち、反応は?
※「何もしない」というのも構成要素になる
➁ポジティブな例外
「ポジティブな例外」とは、いつものパターンとは違って”たまたまうまくいった”場合のこと。
問題が起こる場面ではなく、起こらなかった場面、起こってもいつもよりマシだった場面について考えてみることが大切です。
<いつものパターン>
子どもが学校から帰る→親が宿題をやるように言う→子どもが不機嫌になる→親も不機嫌になる→親にイライラされながら宿題をやる
<たまたまうまくいった場合>
子どもが帰ってきたときに「おやつ食べる?」と声をかけ、いつも宿題をしているテーブルでおやつを一緒に食べながら、それとなく「このまま宿題やってみる?」と穏やかに声をかけると、何となく宿題をする流れになり、スムーズに終わった。
たまたまうまくいったときの要素をピックアップして「いつもと何が違ったのか」を探し、今度は意図的に、うまくいったときのパターンを再現して実験します。
③認知行動療法・・・思考と感情を分ける
認知行動療法は「思考」「感情」「行動」に分けて対策を講じる心理療法。
主に認知行動療法で用いられる自動思考は「状況に対応して非常にすばやく、自分の意志とは関係なく自動的に湧き出る思考」のことで、自動思考が感情を誘発し行動に結びつきます。
すなわちどんな自動思考を持っているかによって、同じ状況でも行動が変わってきます。
例:子どもが宿題をせずに動画を見ているのを見て・・・
(自動思考)「宿題をやる気はあるのかな?」
→(感情)イライラする
→(行動)怒鳴る、おやつを食べている途中で片づける
(自動思考)「調子が悪いのかな?」
→(感情)心配になる
→(行動)「どうしたの?」と尋ねる、顔色を見る
そこで認知行動療法では、まず「どんな自動思考が浮かんだか」をつかまえる練習をします。
子どもの行動や様子を見たとき、自動的に湧いてくる思考に目を向けてみましょう。
頭の中で考えが浮かんだとき、立ち止まってその考えを客観的に捉え、自動思考と湧いてきた感情を分けます。
感情を客観的に認識できると、感情のままに行動するのではなく行動を選べるようになります。
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最後に
『発達障害&グレーゾーンの子の「できた!」がふえる おうち学習サポート大全』は、こちらの記事で紹介させていただいた内容以外にも、「宿題に取りかかるのに時間がかかる」「集中力が続かない」「姿勢がすぐにだらんとなる」「なかなか理解できない……」などのお悩み別『読んですぐ実践できるコツ』や、長期休みの宿題を制覇するための計画の立て方、計算ドリル、音読など宿題別のサポートの仕方なども紹介されていますので、ぜひチェックしてみてくださいね!