本嫌いな小学生を本好きにさせるには。小学校低学年ママからよく聞く“読書”に関するお悩みの声と、それに対する私の返答。

「うちの子はなかなか本を読まなくて・・・」というお悩みの声を、小学校低学年のお子さんのお母さまからよく聞きます。
そんな時に、私がお母さま方にお伝えする返答はいたってシンプルです。

今回は、そんな小学校低学年ママの「読書」に関するお悩みの声と、それに対して私がいつもお答えしている内容をご紹介したいと思います。

小学校低学年のママからよく聞く、“読書”に関するお悩みの声とその回答

「子どもがまったく本を読まない。」「本にぜんぜん興味がない。」

まずは読み聞かせから始めましょう。

お子さんが就学前には絵本の読み聞かせを積極的にしていたというお母さまも、小学生になったとたんに「自分で読みなさい」とばかりに読み聞かせをしなくなる場合が多いです。

しかしながら、低学年の頃はまだ文字を追うことに精一杯で、自分で読みながら内容を理解したり、ストーリーを味わったりするのはかなり難易度の高いことになります。

字が読める・読めない、一人で本が読める・読めないにかかわらず、小学校低学年くらいまでは本の読み聞かせを続け、お話の世界を楽しむことを体験させてあげてください。

少しずつ自分で読む機会が増えてきて、徐々に、一人で読んでも物語を楽しめるようになっていきます。

子どもの興味・関心をきっかけにしましょう。

親御さんとしてはどうしても「名作だから」「ためになる本だから」などという理由で、子どもに読ませる本を選んでしまいがちですが、本嫌い、もしくはあまり本に興味がないお子さんにはむしろ逆効果。

お子さんが興味を持った映画や漫画の原作を「あのお話はこの本が元になってたんだって」などとすすめてみる等、子どもの興味・関心を広げるような本をきっかけに、子どもを本の世界へと導いてあげましょう。

また子どもにすすめる本には親御さんも目を通しておきましょう。
単に「この本、面白いよ。」と言うだけでなく、「面白い本を読んだよ。主人公が○○なんだけど・・・」などとあらすじを話してあげたり、最初の数ページを読んであげるだけで、子どもの食いつきがずいぶん違ってきます。

本の対象年齢にはこだわらなくてもOK。

子ども向けの本には「小学校低学年向け」など”対象年齢”が記載されていますが、それにはあまりこだわらなくても良いです。

今まで読書の経験がほとんどない子どもの場合、いきなりその子の年齢が対象の本を選んでも、その面白さを理解するのは難しくなってしまいます

子どもの年齢よりも対象年齢が下の本を読むことは何だか恥ずかしいことのように思ってしまいがちですが、決してそんなことはありません。
思い切って本の対象年齢を実際よりも下げて、本を読む面白さを一から経験させてあげましょう。

親が読書を楽しんでいる姿を見せるのは必須。

子どもの読書習慣は、家庭の読書習慣を映す鏡である、とも言われます。
子どもを本好きにさせるには、親が本を読んでいる姿を見せることは必須です。

自分では全く本を読まないお母さんが子どもに「本を読みなさい」と言っても説得力はありません。
休日のわずかな時間でもいいので親御さんも読書を楽しむこと。
また常に身の回りに本がある家庭環境を作るようにしましょう。

何より、親御さん自身が「本を読むのが楽しくて仕方ない!」という姿を見せることが大事です。

「同じジャンルの本ばかり読んでいる。」

本のジャンルのかたよりは気にしなくてOK。

「うちの子、恐竜の本ばっかり読んでるんですけど・・・」など、子どもが興味のあるジャンルの本ばかり読んでいると、親としてはもっといろんな分野の本を読んでほしいと思ってしまいがちです。

しかしながら、読書に限らず、何かに熱中してのめりこむという体験はとても貴重ですし、いま興味のあることに集中できているということは、興味の対象が他に移った時にも同じように集中して掘り下げることができる力を持っているということです。

無理に他ジャンルの本をすすめて、むやみに読む本の分野を広げるよりも、いま興味のあることをとことん追求させてあげましょう。

親が読ませたい本の押しつけには注意。

子どもはいくら周りからすすめられても、自分でピンとこない本は手に取らないもの。親が読ませたい本を無理やり押しつけられると、かえって本嫌いにさせてしまいかねません。

「入塾テストなし。先着順」で子どもを受け入れ難関校に導く進学塾・VAMOS(ヴァモス)代表の富永雄輔氏が、東大合格者・東大出身講師にヒアリングしてまとめた34の習慣を紹介している本『東大生を育てる親は家の中で何をしているのか?』。


東大生を育てる親は家の中で何をしているのか?

こちらの書籍によると、著者がヒアリングをした東大生の多くが、親から本を薦められたという経験はあまりなく、「小さい頃から自分が好きな本ばかり読んでいた」という声が圧倒的だったとのこと。

また、東大に子どもを合格させた親御さんから「どんな本を読ませればいいか?」という相談を相談を受けることはあまりないそうです。

すなわち、東大生がもともと本が好きだったわけではなく、小さい頃から自分が好きな本選んできたからこそ、本が好きになったのだと。

このことからもわかるとおり、子どもを本好きにしたいなら、本を“与える”のではなく、読みたいものを子ども自身に選ばせるべき。
親子で書店や図書館に足を運んで、子どもが「読んでみたい!」と思える本と出会う機会をつくってあげましょう。
また子どもが選んだ本が、親にしてみたら「くだらない」と思うようなものでも、子どもの「読んでみたい!」という気持ちを大切にしてあげましょう。

「読むのは図鑑や絵本など、文字の少ないものばかり。」

大事なのは本に親しみ、好きになること。

「字がほとんど無い、図鑑みたいなものばっかり読んでるんですけど、それでもいいんでしょうか?」という声もよく聞きます。

親御さんとしては「絵や写真ばかりで文字がほとんどない図鑑や絵本のようなものでは”読書”とは言えない。」と思っていらっしゃる方が多いようです。

しかしながら、大事なのは子どもが「本」に親しみ、「本」を好きになること。
なので、最初は絵本や図鑑でもぜんぜん問題ありません。

また、小学校低学年のうちはまだ“読んで聞かせてもらって理解できるレベル”と、“自分一人で読んで理解できるレベル”には差があります。

図鑑や絵本、漫画など、親御さんから見たら「本」とは言えないものであっても、子どもが楽しく読むことで「本」が好きになるきっかけとして捉えましょう。

子どもが一人で読む本よりも文字数が多い長めのお話で読み聞かせも続けなながら、徐々にレベルアップしていくのを待ちましょう。

最後に

私が以前講師として務めていた七田チャイルドアカデミーの創始者、七田眞校長の言葉に「子どもを本好きに育てたら、幼児教育は90%成功」というものがあります。

読解力がつく、語彙が増える云々の教育的効果は抜きにして、シンプルに本は人生を豊かにしてくれるもの。
子どもを本好きに育てるのは、親御さんがお子さんにあげられるとても大きな贈り物の一つではないでしょうか。

「小さい頃にあまり読み聞かせをしてあげてこなかった・・・」とおっしゃるお母さまも、今からでも遅くはありません。
お子さんが読書の喜びの経験をひとつずつ積み上げていけるよう、ぜひサポートしてあげてくださいね。