「漢検(日本漢字能力検定)」と「漢熟検(漢字習熟度検定)」のちがいは何?小学校低学年が受検すべきなのは?

漢字学習の一環として「漢字能力検定(漢検)」の受検を考えている小学校低学年の親御さんは多いと思いますが・・・

「漢検」と同じく漢字の能力を測る検定、「漢字習熟度検定(漢熟検)」をご存じでない方も多いのではないでしょうか?

実は、私も「漢字習熟度検定(漢熟検)」については「名前くらいは聞いたことあるけど・・・」というレベルでした。

ですので今回あらためて「漢字能力検定(漢検)」と「漢字習熟度検定(漢熟検)」の違いを踏まえて、小学校低学年のお子さんにはどちらがオススメなのか?について考えてみました。

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「日本漢字能力検定(漢検)」と「漢字習熟度検定(漢熟検)」基本データ

まずは、「日本漢字能力検定(漢検)」と「漢字習熟度検定(漢熟検)」の基本的な情報をご紹介します。
なお、最新の情報については各検定の公式サイトにてご確認くださいね!

日本漢字能力検定(漢検)とは

「漢検(日本漢字能力検定)」は、漢字能力を測定する技能検定です。
漢字を「読む」「書く」という知識量のみならず、漢字の意味を理解し、文章の中で適切に使える能力も測ります。

日本漢字能力検定 公式サイトより

『日本漢字能力検定 (漢検)』 は、漢字の読み書き能力を測定する国内最大規模の検定試験。

入試の際の評価対象としたりAO入試や推薦入試の出願要件とする高校・大学も多く、受験や就職の際にも有利となる検定です。

<実施団体>公益財団法人 日本漢字能力検定協会

<認定開始>1975年

<階級と受検の目安>

●10級:小1修了程度
● 9級:小2修了程度
● 8級:小3修了程度
● 7級:小4修了程度
● 6級:小5修了程度
● 5級:小6修了程度
● 4級:中学校在学程度
● 3級:中学校卒業程度
●準2級:高校在学程度
● 2級:高校卒業・大学・一般程度
●準1級・1級:一般・大学生対象

<検定料>

●10〜8級:1,500円
● 7〜5級:2,000円
●4〜準2級:2,500円
● 2級:3,500円
●準1級:4,500円
● 1級:5,000円

<検定日程>年3回

<公式サイト>https://www.kanken.or.jp/kanken/

漢字習熟度検定(漢熟検定)とは

漢字習熟度検定(漢熟検)は漢字の検定試験です。
検定対策を通じて使いこなせる漢字や熟語を増やしながら、「正しく豊かな」日本語を習得することができます。

漢字習熟度検定(漢熟検)公式サイトより

『漢字習熟度検定(漢熟検)』は、豊かな日本語を使いこなすため、漢字や熟語の習熟度を高めることを目指した検定試験。

生きた文の中で使われる漢字や熟語を、文脈から正しく判断できるかどうかを問うため問題文が長めになっていたり、関連語の使い分けが正しくできることを求めるため、同音訓異義語等、対義語や書きまちがえやすい漢字・熟語などが出題されるのが特徴です。

<実施団体>一般社団法人 日本漢字習熟度検定協会

<認定開始>2009年〜

<階級と受検の目安>

●10級:小1修了相当
● 9級:小2修了相当
● 8級:小3修了相当
● 7級:小4修了相当
● 6級:小5修了相当
● 5級:小6修了相当
● 4級:中2在学程度
● 3級:中3修了相当
●準2級:高2在学程度
● 2級:高3修了相当
● 1級:一般・大学生対象

<検定料(税込)>

●10〜8級:1,400円
● 7〜5級:1,900円
●4〜準2級:2,400円
●2級:3,400円
●1級:6,000円

<検定日程>年3回

<公式サイト>https://www.nihongo.or.jp/

「漢検」と「漢熟検」の違いを、10~8級の過去問で比較してみると。

両検定の基本データを見てみると、各級の受検の目安となる学年や検定料などについてはほとんど同じです。

では、出題される問題の内容についてはどうでしょうか?
それぞれの過去の出題内容を、「漢検」2018年度過去問と「漢熟検」2019年度過去問で比較してみたいと思います。

※ちなみに比較している過去問の年度が違うのは、それぞれの公式サイトで公開している最新の過去問の年度が違うからです。あしからずご了承ください。

なお、今回比較した過去問の内容については、それぞれの公式サイトにてダウンロードが可能となりますので、興味のある方はチェックしてみてくださいね。

※日本漢字能力検定(漢検)過去問題ダウンロードはこちらから>>>https://www.kanken.or.jp/kanken/outline/degree/example.html

※漢字習熟度検定(漢熟検定)過去問ダウンロードはこちらから>>>https://www.kanjukuken.jp/past_questions.html

「漢検」と「漢熟検」を10級(小1修了相当)の問題で比較

漢検10級(2018年度)全81問中

・読み 39問(48.1%)
・書き 30問(37.0%)
・筆順 12問(14.8%)

漢熟検10級(2019年度) 全50問中

・読み 30問(60.0%)
・書き 18問(36.0%)
・筆順  2問(4.0%)

・両検定とも検査時間は40分だが、問題数は漢検81問に対し漢熟検50問と、漢検のほうが問題数がかなり多い。
・出題内容は、いずれも同じで漢字の読み・書き・筆順となっている。
・それぞれの出題内容の比率については、筆順の問題が漢熟検が2問(4.0%)なのに対して漢検が12問(14.8%)とかなり多くなっている。

「漢検」と「漢熟検」を9級(小2修了相当)の問題で比較

漢検9級(2018年度) 全105問中 

・読み 40問(38.1%)
・書き 55問(52.4%)
・筆順 10問(9.5%)

漢熟検9級(2019年度)全50問中

・読み 20問(40.0%)
・書き(記述式) 27問(54.0%)
・筆順 3問(6.0%)

両検定とも検査時間は40分だが、問題数は漢検105問に対し漢熟検50問と、漢検のほうが倍以上の問題数となっている。
出題内容は、いずれも同じ漢字の読み・書き・筆順となっているが、漢熟検の方では「書き」の問題の中でも、単に読みから漢字を書くのではなく、ある言葉の反対の意味を持つ言葉を考えて漢字で書く問題が出題されている。

「漢検」と「漢熟検」を8級(小3修了相当)の問題で比較

漢検8級(2018年度 過去問)全100問中

・読み 40問(40.0%)
・書き 50問(50.0%)
・筆順 10問(10.0%)

漢熟検定8級(2019年度)全70問中

・読み 20問(28.6%)
・書き 30問(42.8%)
・筆順 10問(14.3%)
・部首・画数 10問(14.3%)

・両検定とも検査時間は40分だが、問題数は漢検100問に対し漢熟検70問と、漢検のほうが問題数が多い。
・出題内容は、漢字の読み・書き・筆順に加え、漢熟検では「部首・画数」の問題が出題されている。

・漢熟検の方では「書き」の問題の中でも、単に読みから漢字を書くのではなく、ある言葉の反対の意味を持つ言葉を漢字で書く問題が出題されている。

・それぞれの出題内容の比率については、筆順の問題が、漢熟検が2問(4.0%)なのに対して漢検が12問(14.8%)とかなり多くなっている。

小学校低学年が受験するなら「漢検」がいい

「漢検」と「漢熟検」を、それぞれの基本データや過去問で比較してみた結果として、

・漢熟検は、単に漢字を知っているだけでは答えられないような問題(反対語を漢字で書く問題)など、漢字だけでなく言葉の知識や意味の理解も問われる出題内容になっている。
・とはいえ、出題される漢字の範囲はそれぞれ同じなので、そういう意味では難易度のレベルにそれほどの違いはない
・漢熟検の受検者数は(私の確認した範囲では)公開されていないため単純には比較できないが、検定の歴史や一般的な認知度で言えば圧倒的に漢検のほうが高い。
・また更に上位の級を目指す場合、漢検は高校・大学受験や就職活動などでのメリットが受けられる可能性もある。

といった点から、小学校低学年のお子さんが受検するならやはり『漢検』だと思います。

「漢熟検」の活用のしかた

とはいえ「漢熟検」も、「漢検」とは違った角度からの良い問題が出題されているのも確か。

ですので、お子さんが漢検の受検対策を行う中で、出題傾向の違う「漢熟検」の過去問にいちどチャレンジしてみるのもよいと思います。

漢字を単体でおぼえているだけではできない問題も多いので、お子さんが熟語やことわざ等の言葉の意味を正しく理解できているか、また漢字意味を理解した上でを正しく使えているかのチェックにもなると思います。

最後に

今回は、「漢検」「漢熟検」の比較というかたちでお伝えしましたが、いずれにしても、小学校低学年のお子さんが検定を受けることについては、

目的を持って学習ができる

結果が目に見えてあらわれるため自信につながる

といった良い面があります。

特に、漢字の学習は単調な反復練習になりがちですが、お子さんのモチベーションを上げるためにも“検定”にチャレンジしてみるのはオススメです。

※なお、同じく小学校低学年がら受検できる「算数」の検定については、こちらの記事でご紹介しています>>>「数学・算数検定」と「算数・数学思考力検定」の違いって何?どっちを受検すべき?

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