『遊び活用型 読み書き支援プログラム』は、読み書きや文章読解に困難を抱える子どもたちの学習支援方法を提案するガイドブック。
✅ひらがなや漢字の読み書きが苦手
✅単語や文の意味が理解できない
✅文字の形の区別が苦手
✅特殊音節の読み書きが苦手
・・・といったお子さんを対象に、特に学習障害(LD)のある児童への支援に焦点を当て、特別支援教育に携わる教師や支援スタッフ、保護者にとって実践的で効果的な内容となっています。
本書を購入すると、本書で紹介されている「遊び活用型」支援プログラムに使用できる100種類以上のPDF教材を出版社のサポートページ(https://www.toshobunka.co.jp/books/yomikaki/yomikaki.php)からダウンロードすることができるので、効果的な学習支援が即実行できるのもポイント。
※ダウンロードには書籍の特定ページに記載されたパスワードが必要です。
今回こちらの記事では、本書で紹介されているようすことば、きもちことば(擬音語・擬態語、形容詞)の取り組みを、ご家庭でも実践しやすいよう親御さんとお子さんの2人で行うかたちにアレンジしてみました。
なお本書に紹介されているプログラムは、上述したPDF教材をダウンロードして使うのが前提となっていますが、こちらの記事でご紹介する取り組みでは、手持ちのひらがなカードや絵カードを使用したり、手書きのものを作成してできるものが中心ですので、ご家庭での取り組みの参考にしてみていただければ幸いです。
「ようすことば」の読み書きの取り組み
「どんな場面?どんな音?」
イラストや文の場面に合う擬音語・擬態語はどれか?を考える取り組みをとおして、状態をあらわす言葉の使い方を習得していきます。
「どんな場面?どんな音?」取り組みのねらい
さまざまな擬音語・擬態語に触れ、絵や例文と結びつけることで表現の仕方を身につける。
<用意するもの>
・キーワードカード(擬音語・擬態語がひらがなで書かれたもの)
擬音語・擬態語の例:
にこにこ・ぱちぱち・きらきら・わんわん・ふわふわ・ばたばた・ぽかぽか・そよそよ・くねくね・びゅうびゅう・がさがさ・ぐんぐん 等
・イラストカード(さまざなま場面のようすが描かれたもの)
「どんな場面?どんな音?」準備指導
キーワードカード(擬音語・擬態語)を見せて読ませ、読みに大きな困難がないことを確認しましょう。
「どんな場面?どんな音?」取り組み方
・キーワードカードを机の上に並べておく。
・イラストカードに描かれた絵の場面について発問し、当てはまるキーワードカードを選ばせる。
例:お母さんの顔の様子はどれですか?→「にこにこ」
・キーワードカードに書かれた言葉を使い、文を作って言わせる。
例:「お母さんがにこにこ笑っています。」
「あべこべカルタ」
反対語のカードを用いたカルタの取り組みをとおして、言葉の対比関係を学習します。
単語を聞いてその反対語を答えられることとともに、文の中で適切に単語を使えることが大切です。
「あべこべカルタ」取り組みのねらい
日常よく使われる形容詞や動詞の反対語を学習し、言葉の意味の理解を深めます。
<用意するもの>
・形容詞、動詞が書かれた言葉カード(反対語でセットになっているもの)
「あべこべカルタ」準備指導
・言葉カードを1枚ずつ見せ、その反対語を言って聞かせます。
時々まちがった反対語を言い、それが正しいか間違っているかを子どもが判断できることを確認しましょう。
例:『暗い』の反対は『明るい』です」→〇
「『うれしい』の反対は『楽しい』です」→✕
・言葉カードを1枚ずつ見せて読ませ、カードの読みに大きな困難がないことを確認しましょう。
「あべこべカルタ」取り組み方
①言葉カードを表向きにしてバラバラに並べる。
➁言葉カードの中から1枚を問題として子どもに見せながら読み、「〇〇の反対は?」と発問する。
③子どもは当てはまるカードを探して取り、カードの言葉を使った文を考えて言う。
「どんな気持ち?」
子どもが経験したことのある身近な場面について、登場人物の気持ちと、それを表す言葉を考えます。
「どんな気持ち?」のねらい
気持ちに関係する言葉(擬態語など)に触れ、絵や例文と結びつけることで理解を深めます。
「どんな気持ち?」準備指導
子どもが経験したことのある日常的な場面と、その時の気持ちに関連した例文を口頭で提示し、その文(きもちことば)と気持ちが合っているか・合っていないかを判断できることを確認します。
例:
・お化け屋敷に入ったとき・・・「どきどきした」→合っている
・遠足が中止になったとき・・・「わくわくした」→合っていない
・先生にほめられたとき・・・「めそめそした」→合っていない
「どんな気持ち?」取り組み方
<用意するもの>
・イラストカード(子どもが日常で体験する場面が描かれたもの)
・きもちことばカード 気持ちを表すことば(擬態語)がひらがなで書かれたもの
きもちことば(擬態語)の例
どきどき・わくわく・うきうき・うんざり・いらいら・ぷんぷん・ひやひや・はらはら・くよくよ・びくびく・おろおろ・めそめそ 等
<取り組み方>
イラストカードに描かれている人物を指さして「この時の気持ちは?」と発問する。
子どもはキーワードカードの中から当てはまる言葉を選び、イラストの人物の気持ちを文で言い表す。
例:「誕生日のお祝いをしてもらって、うきうきしている」
「自転車で転んでケガをして、めそめそしている」等
「物あるある、いっぱい考えよう!」
ある場面について「あるもの」「聞いた音」「感じた気持ち」をできるだけたくさん考えて書き出す取り組み。
「物あるある、いっぱい考えよう!」取り組みのねらい
擬音語・擬態語、反対語、気持ちの言葉を適切に使って、具体的に指定された場面について正しく表現する
「物あるある、いっぱい考えよう!」準備指導
ひらがなカード(単音)を組み合わせて単語を作り、1文字ずつ正しくよめることを確認しましょう。
「物あるある、いっぱい考えよう!」やり方
テーマを決め、そのテーマについて、そこで「見たもの」「聞いた音」「感じた気持ち」について、できるだけたくさん書き出させる。
※テーマの例:体育館、公園、プール、スーパー、駅など
例:テーマ「教室」
教室にある「もの」・・・テレビ、本、机、いす、黒板・・・
教室にある「音」・・・コツコツ、ペラペラ、トントン・・・
教室にある「気持ち」・・・わくわく、楽しい、ドキドキ、イライラ・・・
例:「ペラペラ」→紙をめくるときの音
「ドキドキ」→先生にあてられるかどうかわからないときの気持ち
『”遊び活用型”読み書き支援プログラム』その他の取組について
書籍『”遊び活用型”読み書き支援プログラム』には、上でご紹介したようすことば、きもちことば(擬音語・擬態語、形容詞)の取り組みのプログラム以外にも
- ひらがな(文字)の読み書き
- ひらがな(単語)の読み書き
- 短い文の読解
- 長い文の読解
- 漢字(1・2年生)の読み書き
- 漢字(3年生以上)の読み書き
・・・これらのプログラムが紹介されており、プログラムで使用する教材はすべて、出版社のサポートページ(https://www.toshobunka.co.jp/books/yomikaki/yomikaki.php)からダウンロードすることができます。
※ダウンロードには書籍の特定ページに記載されたパスワードが必要です。
ご興味のある方は、いちど本書を手に取ってみてはいかがでしょうか。
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